White noise

筆圧によるエンボスで描いたシリーズ。画面は離れれば真っ白であり、近づくことでその痕跡を視認できる。一度近づいて視認できれば、離れたとしてもそこに何かがあることを意識することになる。例えば、自分自身が小さな細胞によって出来ていることを意識しているように、白い画面にその気配を感じるようなものになればと考えた。



Faint sign

重ねた紙に墨で文字を描き、それを並べた。文字は徐々に消えていき、最後にはかすかな気配だけが残る


Planet dust

生活の中で生まれる床に散らばった砂やチリのような小さなゴミ。このシリーズは私自身のアトリエのそんなものたちをパネルに散らばせ、上から紙を貼ったものだ。白い紙に覆われることによって、普段は目に止まることのないような小さな存在が、画面に起伏を生み存在を露わにする。ランダムに散らばったそれらの点は、私にはどこか星座を思わせるものになった。そして夜空には輝くことのない見えない星々が無数にあるように、画面に影響を及ぼさないくらい小さな存在たちも、紙の下には存在している



Rain wave

雨による水分を、わら半紙に吸わせ乾かしたもの。湿気により変化した紙の様子は、波や砂紋のような有機的な表情を見せる。雨による彫刻。